2年ぶりに復活した祇園祭の山鉾建て。装飾品の保全などの問題や、組み立て技術継承のため山鉾の一部が実施。
2021年度の祇園祭は、34基のうち17の保存会が山鉾建てを実施。
山鉾巡行が中止、毎年恒例の歩行者天国や露天などはありませんでしたが、2年ぶりの山鉾建てに京都の夏を感じることができました。
長刀鉾(なぎなたぼこ)
四条烏丸、大丸の前に位置する長刀鉾は、くじ取らずの鉾として、常に山鉾巡行の先頭を進む一番知名度も高い人気の鉾。
鉾頭に疫病邪悪を払うという三条小鍛冶宗近作の長刀が付けられていたことからこの名前がついたそう。
粽も人気で毎売り切れますが、2021年度は、保存会で郵送申し込みまたは、WEBにて授与されます。
函谷鉾(かんこほこ)
四条烏丸西入に位置する函谷鉾は、孟嘗君が鶏の鳴きまねによって函谷関を脱出したという中国の故事からきています。
鉾建て1日目の様子。
縄がらみという釘を使わず縄だけで木材を固定する伝統技法で作られていきます。
装飾品と鉾頭、提灯などが付けられ完成。こんなに大きくて立派な山鉾が2~3日で建てられます!
また前掛けにされていたベルギー産のタペストリーは重要文化財に指定。
鶏鉾(にわとりほこ)
室町四条下った所、商業施設スイナ室町の横に位置する、鶏鉾。
中国の堯の時代に天下が良くおさまり、訴訟用の太鼓も用がなくなり、苔が生えて鶏が宿ったという故事からきています。
ちょうど車輪を取り付ける場面に遭遇。なんとひとつの車輪の重さは1トン!
車輪担当の「車方」と呼ばれる人々で、声掛けを行いながら慎重に取り付ける様子は圧巻!
月鉾(つきほこ)
室町四条西入ったところにある月鉾は、山鉾33基のなかで最も大きく重量のある鉾で、11・8tもあるそう!
鉾頭に三日月をつけ、天王座に月読尊を祀っていることから月鉾と名付けられました。
月鉾は水や月にまつわる装飾品が多く見られます。
放下鉾(ほうかほこ)
新町四条上がった所に位置する放下鉾。鉾建て中はこの通りは車両通行止めになります。
真木のなか程に「天王座」に放下僧の像を祀るのに由来しています。
インドやペルシャの絨毯が装飾され、放下鉾はフクロウの絵が特徴的。
鉾立の前に訪れた時は、お囃子の練習をきくことができました。
7月に入ると各山鉾の会所でお囃子の練習が連日行われます。
白楽天山(はくらくてんざん)
室町綾小路下った所に位置する白楽天山。唐の詩人白楽天が道林禅師に仏法の大意を問う場面を表したという鉾。
「山」は、先端に松がついており、「鉾」は先端に金属性の「鉾頭」がつくことが特徴。
霰天神山(あられてんじんざん)
錦小路室町入った所に位置する、霰天神山。
山が位置する錦小路通りは車両通行止めになります。
昔、京都で大火災が起こった時霰と天神像が降ってきて鎮火されてたと言われており、雷除け、火除けのお守りがだされています。
霰天神山の斜め向かいにあるのが中華料理「膳處漢ぽっちり」
毎年、祇園祭の7月13日〜16日の期間限定で販売される「しみだれ豚饅」が大人気。
祇園祭の時は二万個以上販売する人気商品。
昼過ぎに行った時には既に売り切れ。並び列を覚悟で午前中に行くことをお勧めします。
綾傘鉾(あやがさほこ)
綾小路新町東入った所に位置する綾傘鉾。
傘鉾は2基あり、綾小路にあることからこう呼ばれています。明治時代に途絶えていましたが、昭和54年に復興。
京都大丸祇園会・夏祭りも必見
四条烏丸にある京都大丸では祇園祭にちなんだグッズやお菓子の販売、また山鉾の展示をされています。
1階ショウウィンドウと店内イベントスペースには10分の1のスケールで製作された山鉾のレプリカを見ることが出来ます。
また大丸の地下道ウィンドウでは、33基のミニチュアサイズの山鉾が巡行する様子を見ることができます。
可愛らしいサイズの山鉾。2022年度は本物の巡行が見れますように。